ネタバレあり。これから遊ぶ予定の人は絶対読まないで。未プレイの人に一言だけ言わせてもらうと、神ゲーなので是非遊んでほしいです。
最高でした。クリア時間は約30時間。
なんといってもこのゲームの魅力はその複雑なシナリオ。タイムトラベル(*1)やタイムループという要素があってそれだけでも複雑なのに、それを時系列バラバラで、しかも13人の主人公それぞれの目線で描くという観せ方になっている。桜井政博さんが絶賛していた理由や、製作者であるヴァニラウェアの神谷さんが発狂しそうになった理由がよく分かった・・・。
正直なところ、序盤は謎が多すぎて頭の整理が追いつかず(というより整理しようがなく)、ぼーっとテキストを眺めているだけだった。なので「すごく面白い!」という感じではなかったのだけど、徐々に情報が得られていくにつれて自分なりの仮説を立てられるようになり、そこからは完全にこのゲームの虜になっていた。
本作のすごいところは最後の最後になって初めて全てが繋がるところである。「タイムトラベルしていると思いこんでいるけどどうやら実際は空間移動しているだけだ」ということには早い段階で気づくことができたのだけど、そのようやく辿り着いた真実すら「断片的な情報」に過ぎない。「タイムトラベルしていないことは分かったけど、じゃあこの世界はどういう造りになっているのか?なぜ空間移動ができるのか?」という疑問が新たに湧いてきて、どんどん引き込まれていく(*2)
このゲームの面白さのピークはクリア後だった。すべての情報が時系列順に埋まったアーカイブを観るのがものすごく楽しいのだ。正直、クリアした瞬間はまだ理解できていないことが残っていたのだけど(*3)アーカイブを観ることで意味不明だったシーンやセリフ、キャラクターの立ち位置が明確になっていき、頭の中のモヤモヤがクリアになっていくような感覚がなんとも気持ちが良かった。
おそらく、本作を未プレイの人にストーリーを時系列順に整理して説明しても、「へー、面白いね」くらいの感想しか得られないのではないかと思う。本作のシナリオは、ゲームという形式で、バラバラの時系列でシナリオを追いかけたからこそ、本当の魅力を感じられるのだと思う。クリアして数日経つが、僕の頭は『十三機兵防衛圏』のこと、そして焼きそばパンのことでいっぱいである。ここまで余韻の残るゲームはなかなか無い。
ここまでシナリオのことだけ触れてきたけど、バトルパートも予想外に楽しかった。開戦直後、郷登でインターセプターをばらまき、緒方のタックルで突っ込んでそのままデモリッシュブレード、三浦と南で後ろからレールガンで援護・・・などなど、機兵それぞれの特徴を活かした戦闘が楽しめた。三浦と如月の兵装「超大型ミサイル」が強くてお気に入り。
ということで『十三機兵防衛圏』、評判通りの名作、いや、神ゲーでした。今後もずっとこの作品のことは忘れられないだろう。ヴァニラウェアの他作品も遊んでみようっと。